「人を動かす」(D・カーネギー/創元社)は、FUN入門編といわれるような本で、人とのコミュニケーションの図り方を示してくれる内容が書かれています。僕も、入部当初にじっくり読んだ本です。最初は、人間関係に悩んだ人や部下を持つ上司、あとは面接対策にもよい本だと思っていたのですが、意外にも現在している「営業」にもかなり役に立つ内容が書かれてあり、改めて読み直してみても、すごい本だなと思います。さすが、いつ読んでも気付かされるものがあるからこそ、多くの人に愛されロングセラーなり、名著だといわれるのかもしれません。
その中で、昨日読んだ章が、「誠実な関心を寄せる」です。
ウィーンの有名な心理学者アルフレッド・アドラーは、その著書でこういっている。―
「他人のことに関心を持たない人は、苦難の人生を歩まねばならず、他人に対しても大きな迷惑をかける。人間のあらゆる失敗はそういう人たちの間から生まれる」(P75)
紀元前100年に、ローマの詩人パブリアス・シラスがすでに次のごとく説いている。―
「われわれは、自分に関心を寄せてくれる人々に関心を寄せる」
他人に示す関心は、人間関係のほかの原則と同様に、かならず心のそこからのものでなければならない。関心を示す人の利益になるだけでなく、関心を示された相手にも利益を生まねばならない。一方通行ではなく、双方の利益にならなくてはいけない。(P88)
「他人に関心を深める」ことは、別に営業としてだから気付くことではなく、普段の生活の中でも大事なことです。友達を思いやったり、気に掛けたりすることは、誰しもされて嫌ではないし、そうしてくれる友は、やはりこちら側も大切にしようと思うものです。
では、年始の仕事始めに何を僕が気付いたかというと、今さらながらですが、「営業」という仕事に関して、「特別なスキル」は必要ないということです。私生活で、何か自分が手伝ってやれることはないかという気遣いだったり、思いやりを持って接したりすることが、「営業」でも必要なだけです。営業だから必要なことはなにも無く、私生活でも大切な心がけが営業でも大切なだけなのです。
ただし、これではお金は一切発生しません。相手が、何か困っていることや悩んでいるときに、解決できるような商品とお金があることが「営業」といわれるだけで、その基本的な考えは、私生活の「誠実な関心を寄せる」となんら変わらないと感じました。
いたって平凡な内容ですが、この仕事だからとか、営業だから必要な要素はなく、普段の私生活がベースとなって、その要素が仕事に生かされるだけだということを感じました。つまり、仕事と私生活は切っても切り離せないものであり、どちらとも高めていかなければならないものなのです。名著とは、偉大な気付きをいつも私たちに優しく、時には厳しく、多くのことに気付かせる力を持っています。